ふく動物病院 名前の由来ORIGIN
ふく動物病院物語
どうして
「ふく」動物病院なの?
第1章「名前の由来」
おしょうさんと猫
むかーしむかし、静岡のとあるお寺に数匹の猫が暮らしておりました。
心のやさしいおしょうさんは、おなかをすかせた猫たちに、ときどきご飯をあげていました。
しかし、いつも一匹の猫だけはもみがらの上で寝ていて、おしょうさんが見ている間は決して近づこうとはしませんでした。
猫のピンチ!
そんなある日のこと、おしょうさんが外に出てみると、頭に大ケガをした猫が「おしょうさん、助けて…」といった顔で近付いて来ます。
見ると身体にもみがらが付いているではありませんか!
おしょうさんは、その猫が唯一近づいてこない猫だということに気がつきました。
猫の名前
おしょうさんは猫をかかえると、急いで動物病院へと向かいました。
「この猫を助けてください!」
おしょうさんの必死のお願いに、動物病院の先生はこう答えました。
「これはかなりひどい傷ですよ。でもやれる限りのことはやりましょう!」
こうして、猫は頭の手術を受けて助かり、おしょうさんも胸をなでおろしました。
動物病院で順調に回復していく猫に面会に来たおしょうさんは、いつしか名のない猫を「ふく、ふく」と呼ぶようになりました。
猫もまた、おしょうさんや動物病院の人々とふれ合ううちに、人が大好きになっていったのです。
退院の日
そして、退院の日がやってきました。
けれども、帰るにもお寺の境内では、猫を飼うことができません。
だからといって、のら猫に戻してしまっては、またケガをするかもしれません。
おしょうさんも手術をした先生も、一生懸命になってこの猫をかわいがってくれる人を探しました。
しかし、飼い主になってくれる人はなかなか見つかりません。
「しかたない、また元の場所に戻そうか…」おしょうさんの表情は悲しそうです。
その言葉を聞き、先生はしばらく考えて言いました。
「それならわたしが面倒をみましょう」
それを聞いたおしょうさんは、「なんて幸せな猫なんだ!」と大喜びして「ふく、ふく」と何度も名を呼びながら抱きあげました。
そして、“ふく”という名前は、先生の家でも呼び継がれるようになったのでした。
ふく動物病院の誕生
もうお気づきですよね?この先生こそが、当院の院長です!
院長がこの地(岐阜)で動物病院を開院しようと決めたとき、
「たくさんの動物たちが、“ふく”のように救われ幸せに暮らせますように…」
という願いを込めて、『ふく動物病院』と名付けたそうな。
これが当院の名前の由来です。
それから沢山の年月が過ぎ…
第2章「10年後の奇跡」
静岡でのドライブ
「ふく」から名前をもらった当院が開業して、10年以上が過ぎた2017年11月。
たまたま時間ができた院長は、以前の勤務先の静岡に行ってみよう!と思い立ち、夫婦で静岡へ出かけることに。
そして、10年以上前に一度だけ訪ねたことのある「ふく」のいたお寺にも、行ってみたくなりました。
少ない時間でしたが、昔なつかしいお店に寄り、いざ、お寺に向かって出発!
なつかしい道を走りながら、さまざまな思い出がよみがえります。
しかし、お寺の手がかりは住職さんの名前だけで、肝心のお寺の名前がわかりません。
この辺りかな?
いや、もう少し川の近くだったような…?
すぐにわかると思っていた院長でしたが、すっかり道に迷ってしまいました。
みかんの贈り物
そして結局、そのお寺にはたどり着くことができなかったのです。
院長はとても残念に思い、後ろ髪を引かれながらも、そのまま岐阜に帰ったのでした。
12月に入り、年の終わりを感じるある日のこと。
院長の家に静岡からみかんが送られてきました。
「妻の実家からの贈り物かな?」と思いながらふと宛名を見ると、なんと「ふく」のお寺の住職さんからではありませんか!!
10年後の奇跡
つい先月訪ねようとして、たどり着けなかった、あのお寺の住職さんからの贈り物だったのです!
院長はこの偶然に驚きながら、みかん箱に書かれている電話番号にすぐに電話をしました。
そして、住職さんのお話を聞いてさらに驚きます。
「先日、荷物を整理していたところ、何年も開けていない箱がありましてね。
箱を開けてみると、以前、ふくが亡くなったときに先生が送ってくださった手紙と写真が入っていまして。
そして箱を開けた日がね、12月12日、ちょうど「ふく」の10年目の命日だったんです。そして、とてもなつかしく思ってみかんを送ったんですよ」
なんということでしょう!
もう十何年と会っていない住職さんのところに会いに行こうとして、たどり着けなかったのはつい先日のこと。
そして、住職さんもまた、十何年ぶりに自分を思い出し、みかんを送ってくれるなんて!!
これがただの偶然と言えるでしょうか?
院長が興奮してこの事実を伝えると、住職さんもとても驚いていました。
きっと、天国のふくが
「先生ったら、道を忘れちゃってしょうがないなあ。
ぼくが先生をおしょうさんのところへ導いてあげるよ」
と、住職さんと院長の縁を再びつないでくれたのではないでしょうか?
天使になった子も、
ずっと見守ってくれている
このできごとは、
「10年たっても、ふくは私たちを見守っていてくれているんだ!」
と院長を温かな気持ちにしてくれました。
みなさん、愛し愛されてきた家族の一員が亡くなってしまったとき、とてもとても辛く、悲しい気持ちになりますよね。
でもね、こんな「ふく」のお話を知ったら、お空に行った子たちも、ずっと私たちのことを見守ってくれているんだと思いませんか?
きっと、いつまでも見守ってくれて、ずっと幸せを願ってくれているはずですよね!!
ふくちゃん、ありがとう(o^―^o)!